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下肢閉塞性動脈硬化症について


下肢閉塞性動脈硬化症とは

主に足の動脈が動脈硬化をきたして、狭くなってしまったり閉塞してしまったりして、足の血流が悪くなり様々な障害をきたす病気です。そもそもの動脈硬化の原因としては喫煙、糖尿病、コレステロールの異常、高血圧等の生活習慣病が原因で起こると言われています。また動脈は足だけでなく全身にあります。心臓の血管に動脈硬化がおこれば狭心症や心筋梗塞、脳の血管に起これば脳梗塞といった病気にもなりやすいです。
この下肢閉塞性動脈硬化症は日本では年間50~80万人もの患者がいると言われております。
症状は大きく4つの段階があり、①冷感・しびれ:足先が冷えたりしびれを感じたりします、②間欠性跛行(かんけつせいはこう):ある程度の距離を歩くと主にふくらはぎなどが痛みを生じて休まずにはいられなくなります、③安静時痛:なにもしていなくても足の痛みが生じて夜間も眠れないほど持続します、④潰瘍・壊死(かいよう・えし):足にキズができて治りにくかったり黒く変化して組織が死んできてしまいます、といったものがあります。

下肢閉塞性動脈硬化症の診断について

足の血流を評価するために現在さまざまな方法があります。
両手両足に血圧計のようなもの(マンシェット)を巻いて手足の血圧の比率を測るABI、センサーを特定の場所につけて熱を加えて皮膚から放散される酸素を測定する経皮的酸素分圧:TcPO2、センサーを特定の場所につけてマンシェットを巻いて皮膚の微細な血圧変化を測る皮膚灌流圧(SPP)があります。ただマンシェットの締め付けであったり測定場所が限定されてしまったり、測定に長時間の安静が必要であったりと測定に制限があったりします。

現在当科では新しい医療機器をこの下肢血流評価に導入しております。これはただ機器を装着して測定したい部分の組織に触れるだけで組織の酸素がいきわたっているかを測定するものです。触るだけなので時間もかからず、場所の制限もないのでとても有用です。現在既存の血流検査との比較を行っており、実際に患者さんに使っております。
また血管の画像評価としてはエコーや造影CT、血管造影検査といったことで足の動脈硬化の評価を行っております。

下肢閉塞性動脈硬化症の治療について

まずは生活習慣の改善が一番大事です。これはどの血管の病気にもいえますが、適度な運動と禁煙が必要です。それでも難しい場合は次にお薬で血流がよくなるよう内服治療を行います。
さらにはカテーテルという細い管を血管に直接入れてその管を通してそこから狭い血管や詰まっている血管を広げたり通したりする血管内治療を考慮し、それでも難しい場合は血管と血管をつなぐバイパスの手術を行います。状況に応じて治療方法を判断していきます。

足の血のめぐりが悪くなる前に一度ご相談ください。