留学体験記② 坊岡 英祐先生
SSO国際キャリア開発交流(ICDE)プログラムとしてSociety of Surgical Oncology Annual Meeting 2024参加およびStanford Medicine短期留学
日本消化器外科学会よりSSO国際キャリア開発交流(ICDE)プログラムとして選出して頂き、Society of Surgical Oncology (SSO) 2024への参加およびStanford Medicine短期留学という極めて貴重な機会を与えて頂きました。ここに感謝の意を込めて報告させて頂きます。
SSO 2024
SSO 2024は2024年3月20日から3月23日までの4日間、米国ジョージア州アトランタで開催されました。SSOは日本の消化器外科学会に相当する学会ですが、乳腺外科と甲状腺外科が含まれ、食道外科が含まれないという違いがあります。米国では食道外科は胸部外科に含まれております。ICDEプログラムはSSOのGlobal Partnerである11の学会から毎年1名ずつ選抜されSSO Annual Meeting参加とInstitutional Visitが含まれております。日本消化器外科学会もGlobal Partnerであり、本年度は私が貴重な機会を頂きました。同世代のICDEプログラム参加者と意見交換する機会に恵まれ、大変刺激になりました。またSSO 2024では様々なreceptionにも招待して頂き、世界中の参加者と交流を深めることが出来ました。円高の影響か日本からの参加者が非常に少なかったのが残念でした。
私は上部消化管が専門なので、Annual MeetingではUpper GIのセッションを中心に聴講致しました。日本で増加傾向にある食道胃接合部癌は欧米ではpopularで術前化学放射線療法が標準治療と考えられております。日本では術前化学療法が一般的で文化の違いと理解していました。しかしUGI Great Debateという食道胃接合部癌に対して術前化学療法か術前化学放射線療法かというディベートでは、参加者の中では術前化学療法の方が多くて驚きました。後のASCO2024でESOPEC試験という術前化学療法と術前化学放射線療法のランダム化試験で術前化学療法の優越性が証明され、今後は日本の治療方針が欧米で受け入れられる予感を肌で感じました。
私は上部消化管が専門なので、Annual MeetingではUpper GIのセッションを中心に聴講致しました。日本で増加傾向にある食道胃接合部癌は欧米ではpopularで術前化学放射線療法が標準治療と考えられております。日本では術前化学療法が一般的で文化の違いと理解していました。しかしUGI Great Debateという食道胃接合部癌に対して術前化学療法か術前化学放射線療法かというディベートでは、参加者の中では術前化学療法の方が多くて驚きました。後のASCO2024でESOPEC試験という術前化学療法と術前化学放射線療法のランダム化試験で術前化学療法の優越性が証明され、今後は日本の治療方針が欧米で受け入れられる予感を肌で感じました。
SSO2024学会会場にて、世界各国から参加したICDE participantと記念撮影
SSO2024学会会場にて。2022年に短期留学を行ったSoul National UniversityのProf. Yang、2023年に短期留学を行ったMD Anderson Cancer CenterのDr. Ikomaと再会
Stanford Medicine, Department of General Surgery
短期留学
2024年3月25日から3月29日までの5日間カリフォルニア州サンフランシスコのStanford Medicineで短期留学の機会を頂きました。ICDEプログラムでは事前にCVを提出し、SSOが施設とメンターを選んでくれます。私は上部消化管が専門ですが、食道外科はSSOに含まれず胃外科は米国では症例数が少ないので、sarcomaを専門とするStanford MedicineのProf. Byrne Leeをメンターに選んで頂きました。Prof. Leeは大変素晴らしい方でお陰で大変充実した研修を送ることが出来ました。Prof. Leeはニューヨーク生まれのアメリカ人ですが、ルーツは中国で若い頃に中国に短期留学に行った際にメンターにとても優しくしてもらい貴重な経験をすることが出来たので、恩返しのつもりで同じアジア人の私の研修を受け入れてくれたと仰っていました。一昨年は韓国のSoul National University、昨年はMD Anderson Cancer Centerと3年連続で短期留学に行かせて頂いたのですが、全てのメンターが自国に留まらず世界に眼を向けなさいと励ましてくれたのが印象的です。
Stanford MedicineではDepartment of General Surgeryで手術見学を中心とした研修でしたが、ロボット肝切除、巨大sarcoma切除などを見学することが出来ました。また5日間という短い期間でしたが、2件の食道切除術(Ivor Lewis1件、McKeown1件)を見学出来ました。Stanford Medicineでは腹部操作はGeneral Surgeryで行い、胸部操作はThoracic Surgeryで行っていましたが、Prof. Leeの取り計らいで胸部操作も見学させて頂きました。日本の術式とは異なる部分も多かったですが、参考になる部分も大変多かったです。またwebで行っているオンコロジーカンファレンスや、ポリクリ学生に対する対面式の症例カンファレンスにも参加させて頂き、大変勉強になりました。
Sanford大学は全米屈指の大学ですが、広大な敷地で学生にとっては最高の環境だと思います。Prof. Leeは半日時間を取ってくれ、広大なキャンパスを案内してくれましたが、このような環境で学べる学生が非常に羨ましかったです。プロアイスホッケーの試合にも連れて行ってもらい短い留学生活を満喫しました。
Stanford MedicineではDepartment of General Surgeryで手術見学を中心とした研修でしたが、ロボット肝切除、巨大sarcoma切除などを見学することが出来ました。また5日間という短い期間でしたが、2件の食道切除術(Ivor Lewis1件、McKeown1件)を見学出来ました。Stanford Medicineでは腹部操作はGeneral Surgeryで行い、胸部操作はThoracic Surgeryで行っていましたが、Prof. Leeの取り計らいで胸部操作も見学させて頂きました。日本の術式とは異なる部分も多かったですが、参考になる部分も大変多かったです。またwebで行っているオンコロジーカンファレンスや、ポリクリ学生に対する対面式の症例カンファレンスにも参加させて頂き、大変勉強になりました。
Sanford大学は全米屈指の大学ですが、広大な敷地で学生にとっては最高の環境だと思います。Prof. Leeは半日時間を取ってくれ、広大なキャンパスを案内してくれましたが、このような環境で学べる学生が非常に羨ましかったです。プロアイスホッケーの試合にも連れて行ってもらい短い留学生活を満喫しました。
メンターのProf. Byrne Leeと手術室で記念撮影
メンターのProf. Byrne LeeにStanford Universityの広大なキャンパスを案内してもらい記念撮影
おわりに
このような名誉ある大変貴重な機会を与えて頂きました日本消化器外科学会国際委員会の先生方、ICDEプログラムとして短期留学を受け入れて頂いたStanford MedicineのProf. Byrne Leeにこの場を借りて深く感謝申し上げます。またICDEプログラムの応募に際し、ご推薦を賜りました浜松医科大学外科学第二講座 竹内裕也教授をはじめ不在中を含めご支援頂きました医局員の先生方に心より感謝申し上げます。
今回の貴重な経験を生かして、国際交流を深め、今後の浜松医科大学外科学第二講座に発展に尽力致します。
今回の貴重な経験を生かして、国際交流を深め、今後の浜松医科大学外科学第二講座に発展に尽力致します。